デンデラにあるハトホル寺院は外壁のクレオパトラ7世とカエサリオンのレリーフが注目されがちですが、寺院内の列柱室が圧巻!この寺院はなんとしても訪問されることをお勧めします。カルナックの大列柱室なんかよりも密度が高いだけでなく、色が残っていて非常に見ごたえがあります。
デンデラのハトホル寺院はルクソールからナイル川沿いに60キロ程度北上したところにあり、一般的にはツアーに参加して訪問することになります。ただ、日本からのツアーでデンデラが含まれているのは案外少なく、そうなると現地のホテル等が主催するツアーに参加するか、タクシーチャーターになります。
ただ近くに QENA(ケナ)駅があるので、なんとか鉄道でアプローチできないものかと試してみました。
出発前日の夕方、駅の窓口で「カイロ方面行」の電車の出発時間を確認したところ8時とのこと。チケットもこのとき同時に購入。ちなみに、チケット窓口は1つしかなく、地元の人が次々と手と口を出してくるので、それに負けないようにしてくださいww 負けたら一生買えませんww とはいえ4年くらい前のことなので、いまはもっと合理的になっているかもです。
翌朝、ルクソール駅でカイロ方面行の電車を待ちます。
時刻は8時少し過ぎ。さぁ、そろそろ電車が到着する時間かなぁと思いきや。おもむろに工事を始めるおじさまたちww
電車は一向に来る気配なし。工事も一向に終わる気配なしwww
結局、電車に乗れたのは9時30分近く。
乗り込んだ電車はまさにローカル線で、地元の人たちに混じって移動。
言葉が通じなくて意味が分からなかったのですが、ルクソール駅では駅員らしきひとが無理やり私の席を確保してくれて「そこに座れ」と支持されました。混んでいる感じでも無かったので遠慮なく座ったのですが、あれはなんだったんだろう。外国人がへんなことしないように監視されていたのだろうかw
そんな感じなので当然外国人は珍しく、乗客の容赦ない視線にさらされます。が、当初は「なんだこいつ?」的な視線も、目的地までの1.5時間程度の間にかなりうちとけてきました。片言ながら英語が話せる人なんかも登場して、いろいろと聞いてきます。
彼が英語で私に質問し、私が英語で答えると、それを彼がアラビア語で乗客に伝えるというwww
彼のおかげで常に笑いが絶えない車内になり、結構楽しめました。日本からアメとかキャラメルとか持って行ったので、それを配ったり。
観光地の物売りとは異なり(当然ですが)、人々は普通の常識人です。
子供が私のカバンを開いて中を見ようとしたときには、そばにいた大人が「こらっ!」と叱り飛ばしていました。人と人の関係がすごく近いので、疲れているときはうっとうしいけど、一人寂しい時にはそれに救われたりもします。
車内人たちに、事前に「どこに行くの?」と聞かれ「ケナだ」と答えていたので、駅が近づくとみんなから「次の駅だよ!」とリマインドをもらいました。みんな親切です。
比較的あっという間の1.5時間が経過し、目的地の QENA(ケナ)に到着。時刻は10時過ぎ。
さぁ、ここからどうやって移動するのか?タクシー?
いやバスに挑戦してみたい。
でもバスの場所が一向にわからない。こうなったら仕方ない。奥の手を使うしかありません。
「デンデラ?」「デンデラ?」「デンデラ?」「デンデラ?」「デンデラ?」
行きたい場所を近くの人に片っ端から聞いて歩くという方法www
だって字が読めないんだもん。
人々の指さす方向が徐々に1か所に収束していき、運転手が「ウン」とうなずいた時の感動といったらww
ミニバスは人が集まって満席になると出発する仕組ですが、ちょうど私で満席になったらしい。
出発すると料金の徴収が始まります。いくらだったか覚えてませんが、かなーり安かったことだけは確かです。1ポンドかかりませんでした。1ポンドより小さな硬貨をもっていなかったのですが、1ポンドを渡すと前からおつりが却ってきました。うーん、律儀。すばらしい。
事前に「デンデラ!」と告げていたので、ちゃんとデンデラ バス停で降ろしてくれました。バス停の前にはこんなオブジェ。わかりやすいです。
ここから歩いて15分程度。暑いと結構きついですが、緑がきれいで癒されます。
到着したデンデラ寺院はすごくきれいに整備されています。
が、私が行ったときは観光客が全くいない。
さえぎるものがなくて暑いし、レンガからの照り返しがまぶしい!
ハトホル神殿は期待通りのすばらしさでした。完璧に残された建屋。屋根がここまで完璧に残されているのは珍しいです。ホルス神殿もすごかったけど。
裏の外壁には有名なクレオパトラ7世。
内部の装飾も完璧!青がとてもきれいです。
天井が特に素晴らしいです。首が疲れる。。。
ハトホルってこんな色だったんですねぇ。
奥の間のレリーフ。見飽きない。
ここの オシリスは赤いおべべを着ていたんですねぇ。チェックがかわいい。イシスのワンピもおしゃれです。
迷路のような内部。
おなじみ、ヌト神が天井に。
ここの神殿は保存状態が良いこともウリですが、個人的にはヒエログリフの「形」が好きです。これ、かわいくないっすか?丸文字的なww
他の神殿のレリーフとは、ちょっと違う雰囲気。かなり後期の神殿なので、ラムセス二世のころと比べれば、表現の仕方も変わるものなのでしょうかね。
キリがないので、写真はもうやめときますw
とにかくお勧めの神殿です。行くまでが不便なんですけどねぇ。
で、帰りは今来た道を戻るだけ。
デンデラの看板が立っているところで待っていれば、ミニバスがやってきます。どれくらい待つかは、もう、運としか。。。。私の時はすぐに来ました。
ケナ駅に戻ってくると、時刻は13時。
ここからさらに北上するとアビドス(エル・バリヤナ El Balyana 駅)があります。
つい「ついでに行ってみるか」と思いがちなのですが、お勧めしません。
まず電車がいつ来るかわからないのと、駅に着いてからが結構面倒なんです。
アビドスは観光客が勝手に歩き回れる安全な地域ではないらしく、かならず警察に届け出なければならないようです。
私はそんなことも知らずふら~っと向かってみたのですが、到着したときはすでに15:30頃。現地にはタクシーのほかになぜかTUKTUKが走っており、それらをつかまえる、その足で警察に向かって「観光客をひろった」ことを届け出るのです。これがまた時間がかかるwww
駅からアビドス遺跡までは20~30分程度かかり、入口でさらに警察に接見。彼らは遺跡のチケット売り場までついてきます。護衛なんだろうか。
そんなこんなで到着したころにはすでに16:30ww この日はギリギリ冬時間だったため、16時には既にクローズしていたというオチ。夏時間だと17時らしいですが。
外観だけ眺めて、しかたなく翌日もう一回トライしました。でも、ここも保存状態が良く期待が膨らむ!
結局この日はアビドスは見学できず、駅で1時間以上待って帰りの電車に乗り込んだわけですが、当然到着は夜になるわけで。
電車内はこんな感じの真っ暗。外の街頭の明かりが車内に差し込んでいますが、何も見えません。それでも物売りが来るからすごいww
ということで、アビドスに向かった記録はまたの機会に。